木鶏館道場について

木鶏館の目指す所

武の根本理論は己を守ることにあります。「剛の技」ではなく「柔の技」で相手を倒すのが御殿手の究極であり、それが木鶏館の目指すところです。

打ってくる又は掴まれる等、相手が仕掛けて来るときに対処できるような、広い意味での護身術を稽古しており、武器術もありますが木鶏館道場での稽古の中心は取手(とぅいでぃ)です。

 

相手を傷つけずに抑えるという意味において、取手は武器術の究極の形といえます。


館長 金城春光

 

・沖縄本部御殿手空手古武道協会 副会長

道場設立 2009年(平成21年)

 

武歴

  • 1980年(昭和55年)聖道館コザ支部入門(本部御殿手、上原清吉先生)
  • 2000年(平成12年)キャンプハンセンで演武
  • 2001年(平成13年)キャンプキンザーで演武
  • 2010年(平成22年)上原清吉先生7回忌演武大会
  • 2011年(平成23年)第一回沖縄本部御殿手空手古武道協会演武大会
  • 2016年(平成28年)親泊流、大城奈美(琉球舞踊の研究で博士号取得)舞踊研究所と御殿手との関係性の実証に協力
  • 2019年(令和1年)沖縄本部御殿手空手古武道協会副会長就任

 

木鶏館道場の特徴

  • 流派を問わず様々な空手道場の先生方にも門戸を開き、オープンに稽古をしています。
  • やって見せて終わりではなく、理論(法則)に則った技術を説明しています。
  • かつて一部の高段者にしか教授されなかった「取手」を中心に稽古します。
  • 基礎とその応用(初伝~奥義)まで平行しながら稽古しています。

 

 

Q & A

● 空手団体に所属しています。こちらで稽古するのは問題ありますか?

問題ありません。様々な空手流派や武道の経験者・指導者が稽古しているオープンな道場です。

● 突き・蹴りの稽古をしますか?

空手とは違う、御殿手特有の突き蹴りを入門者は学びます。伝統的な沖縄空手もそうですが、御殿手では回し蹴りはありません。また御殿手の特徴は一拍子で相手に対処することですので、受けという概念はそもそもありません。

● 型稽古をしないのですか?

元手といわれる型に似た稽古法はありますが型という認識ではありません。また上原清吉開祖が創作された型や所謂シャドーボクシングに似た稽古形、あるいは武器術の型が本部御殿手にはあります。しかし木鶏館では一対一でお互いに技を掛け合う取手(柔術)に力をいれています。

● 自由組み手を稽古しますか?

以前は、面、胴、グローブをつけての打撃を稽古していましたが、現在の稽古の中心は取手といわれる柔術です。

● 体力・筋力は必要ですか?

 力対力の勝負ではないので、御殿手の技に筋力トレーニングは不要とされています。空手の経験者・指導者たちが御殿手を稽古する理由は、剛の技ではなく柔の技を学べることにあります。

● 合気道とはちがいますか?

 似てはいますが合気道にくらべると動きが小さいかもしれません。

● 膝を曲げず歩行を止めず技を繰り出す理由は何ですか?

 居着くことを防ぐためです。

  


道場名称の由来

「木鶏」(もっけい)とは、荘子(達生篇)に収められている故事に由来する言葉で、木彫りの鶏のように全く動じない闘鶏における最強の状態をさします。木鶏館という名称は、この故事を由来としています。

 

(荘子-外篇 達生 第十九)

周の時代、王様は紀省という闘鶏を飼う名人に最強の軍鶏を育てるように命じました。

 

10日後、王様は紀省に鶏の様子を聞きます。

紀省は答えます「まだいけません。空威張りして闘争心があります」

 

さらに10日後、王様が問います

紀省「まだいけません。他の軍鶏の声や姿を見ただけでいきり立っています」

 

さらに10日後、

紀省「まだいけません。相手を睨みつけて圧倒しようとするところがあります」。

 

さらに10日たって王が再度問います。

紀省「まぁこんなもので良いでしょう。他の軍鶏が鳴いても全く相手にしません。まるで木彫りの鶏のように動じません。どんな鶏を連れてきても、その徳を持って(相手が逃げ出して)戦わずして勝つことでしょう」と答えます。

 

こうして100戦100勝、最強の(まるで木彫りの鶏のように相手に動じない)軍鶏が誕生しました。

 

上記の故事で荘子は道に則した人物の隠喩として木鶏を描いており、真人(道を体得した人物)は他者に惑わされること無く、鎮座しているだけで衆人の範となるとしています。